米寿の自費出版「初雁」のできるまで
製本はたったの一週間でした。
実はここでちょっとした失敗がありまして、この印刷会社だけの特別な例外とは思うのですが、O印刷所は、一般の商習慣ではとても信じられないほど納期にルーズな印刷所でした。
母の米寿のお祝いに作る物だからと念を押して、納期に一ヶ月もの余裕を持たせてお願いしてあったため、お祝いの日時が近づいても、信用して催促しなかったのですが、一週間前になっても 全く音沙汰無し。仕方なく催促の連絡を入れましたら、どうも話の様子では、まだ仕事を初めてもいない様子で、驚いてしまいました。
結局納品されたのが、お祝いの前日。本当は印刷前に最終の確認をさせていただける約束だったのですが、確認をしている暇さえ無く、届いたものを見たら、案の定心配していた印刷ミスが。末尾に用意した印刷日の項目には、 O印刷所のほうで日付を入れてもらう打合せになっていたので空白にしてあったのですが、日付を埋めるのを忘れているのです。もちろん印刷所の名前も入っていませんでした。さんざんな出来映えに愕然としましたが、もう返品する時間さえありませんでした。
こういう電子メディアを利用した原稿を渡して印刷を頼むなどという場合は、それなりの設備を整えた印刷所であるかどうか、印刷所に出向いて確認するくらいの慎重さが必要だと、痛感しました。
どうやら今回のO印刷所には、自社内に電子ファイルの印刷設備が無く、設備を持った別の印刷所に、丸投げで頼んでいたようなのです。ですから中身をチェックする能力もなかったわけで、校正もなにもできなかったのは当然のことです。
自分で選んで指示した表紙の紙質や色は満足できる物でしたが、肝心の俳句が書かれた部分の紙質は、印刷所を信用して任せたため、なんとも粗悪な再生紙のような、ひどい紙を使われてしまい、こればかりは、かなり不本意でした。
印刷屋さん選びだけは、安易に考えた私の大失敗でしたので、これから自費出版をお考えの皆さんは、よほど慎重に印刷所選びを心がけてくださいね。
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